早朝7時。

人によっては早朝でもないとも言われるけども、それはだいたいが農家の皆さんの手前だからだ。日が出るとすぐに働く皆さんには、頭が上がらない。


ま。


けれども私にとっては、物珍しい時間帯には変わりがない。

昨晩の9%は、私に快眠を与えてくれて、既に今日の目的地へたどり着いていた。


高照神社。

そもそもが「お墓」の意味合いが強い、珍しい神社だ。

神道に連なる場所でも有名であり、なおかつここ数日聞いている、津軽信政の神霊を称え祀っている。

そのためか、建立自体はそこまで古くもない。なって約300年がいいところなのだが、面白いのが高照神社の配置および作りだ。

神道に関係することもあり、全国でも稀に見る、東西を基軸にした配置となっているらしい。なおかつ、最奥にある本殿、拝殿と、それぞれの造りが、時代様式が全く異なるのだそうだ。

確かに、今私の目に前にある本殿は、とても300年前に作られたとは思えないほど、やけに「派手」なのだ。

朱色で塗りたくられた本殿の壁や門を見ると、どことなく「そぐわない」と感じてしまうほど、強調されている。


パワースポットとしても知られるこの場所だけども、さすがに朝7時には誰も居なかった。本殿の背に悠々と岩木の山が見え、一応女性の私が一人でいるのは、熊などの野生動物との遭遇する危険性がある。

・・・のだけど、津軽信政の公廟所、こんなにも奥まったところだったか…。

それに、登り始めた太陽は、徐々に熱線に変わっていくのが感じられる。

何もかもが相まって、あっという間に私は汗だくとなっていた。

残念ながら、中に入るための門は閉じられており、私は取れる写真を撮り終わり、門の前に座り込んだ。スポーツドリンク、持ってきて正解だったと、寝起きの私をほめてあげたい。


昔、おばあさまに連れられたときは、宝物庫の開放もしていた。

かの豊臣秀吉公から賜った国宝刀が座してあるなど、当時から男らしいアニメや特撮が好きな私にとって、ロマンの詰まった夢の部屋だったのだけども。

けれども、おばあさま曰く。

『こったのは、もうやること終わって眠ってらんだ。わざわざ起ごすごどねんだね。ねがせどがねばまいね。』

ということらしい。

その言葉が関係するかどうかはわからないけれども、宝物庫の開放は、しばらくやっていないとのことだった。


「あ、けどここ、夜になると藁人形持ってくる人、多いんだよね〜。私ちゃん、おかげで夜も寝れないの〜。」

「あ、そうなんですね…。昔は藁人形とかそういう話は聞かなかった…え」



隣。右隣。ライトサイド。

わっつ????



なんだかきらびやかな女子高生らしい女の子がいた。

わざわざカタカナにするほど、内心驚いた。なぜならば、確かにさっきまでここには

「誰も居なかったんじゃなくて、私ちゃんがさっきからいたの〜。お姉さんが来る前からね」


見た目は女子高生。今風の制服を着ているけれども、生徒指導に一発で雷を落とされそうなくらい、派手にアレンジしている。

丈の短いスカートに、朱色のネイルと唇、アイロンでウェーブをかけたようなロングヘアーは、毛先が朱色のメッシュになっていた。


ギャルだ。

今風なJKだ。


てかなぜこんなJKがこんなところに???


これが先日のような、白いワンピースの女の子だったら、まだオカルトチックな、胸躍るような不思議体験だったのかもしれない。

けど、どうだ、疲れ切ったオフショルの私に対して、JKギャルだ。


「あ、このカッコ?

 似合うでしょ〜!!

 いやね、昔はこんな姿してなかったんだけど、なんていうか、反動?

 着ものとかちょー重いし、てか私女の子だったのに、あの糞おやじのせいでずっと男のカッコしてたし!!!

 遅れてきた反抗期ってやつ?

 あ、お姉さんはこんな早朝にどったの?

 (´(ェ)`)←コンな顔した熊が出るから、あんまり人で来ないほうがいいって〜。

 あ、けど(´(ェ)`)←この熊はちょーーー優しい人だからおけまる〜。

 しかもあの人の娘ちゃん息子ちゃんたち、めっちゃかわいいんだよね〜。

 …あれ、お姉さん、どったの?

 やっぱり、私の言葉遣い、変だった?

 あ〜、なんかまだ今の子供たちのしゃべり方って、私わかんなくて〜。

 私なりに来る人観察して勉強したの。けどたまたま最初に見たのが、なんか今の私の恰好みたいな感じの女の子でさ〜。しかもその子、藁人形持ってくぎ打ち初めて!

 ほらここ!ここ気じゃないし門だし〜。てかやめて私そういうの苦手なんだって〜。

あでさ、お姉さん、なんでこんなとこきたん??おしえてよ〜〜。」


この間、30秒かからず。

圧倒された私は、つい「え、あっはい。」と答えてしまった。

気になる単語がたくさんあったけども、それどころじゃない。くらい、目の前の女子高生に気おされていた。


「あ、わたし???

 え〜ほらそこに名前書いてるし〜!」


名前?

そこって、津軽信政公廟所についての説明…。


「…え?」


「そ!

 私のこと、フレンドリーに、ちょーーーフレンドリーに、『のまのま』って呼んでね、おねえさん。」

 



白い少女とのギャップ、これいかに。

いやいや、まだ朝7時ですって。

すでに、おなか一杯になりそうだった。いや、為っていた。



「よろぴ(>ω<)ゞ!」


「よ、よろ、ぴ…?」











マエ ツギ