きっかけが寄ってくる。
どのようにして寄ってくる…?
なぜ寄ってくる…?
いつ寄ってくる…?
この数日で、いくつの「きっかけ」があった…?
空飛ぶ少女の写真
白いワンピースの少女
旅館の女の子
図書館の司書
信政を名乗る少女
リンゴ農家の少女
「山伏」
ここから、私が追うのは。
私の作る見出しが、適しているのは。
たったこれだけ。
たった数行のリスト。
これだけで、私の睡眠はいとも容易く、朝露に消えた。
その証拠に、外からは雀の鳴き声が聞こえ始め、空も明るくなってきている。
完徹なんてこの仕事ではたまにあったけど、実際のところ久々だ。さすがに堪えている。
「まごちん、不眠はお肌の怨敵よん?」
私のベッドを占領してたいた彼女は、
「そういうあんたは、その顔面のパックどこから出したのさ…てか朝だけど…ふつう夜じゃないの其れ…」
「えーしょーがにゃいにゃーまごちんもつかいたいのーえーまじーじゃーそーがにゃいにゃー」
・・・あ、ほんとだー、朝パックいいー。すんごいいいー。
「…じゃない。いいからまず聞いて」
「まごちん顔パックつけたままだけど」
「…とった。聞いて。というか教えて。」「赤倉」
彼女は、私が聞く前に「答え」を告げた。
さも、私からの質問を待っていたかのように。
「『赤倉の熊』」
・・・見透かされているその笑顔。
いい笑顔すぎて、思わず私も笑顔で返答した。